ジャッキー・モリス/さく 岩崎書店
2012年 初版 小林晶子/訳
大型の画面いっぱいに描かれたシロクマやワタリガラスは大迫力で
リアルに迫ってくるようだ
ネイティブ・アメリカンの伝承のようなフシギな話で
ワンネスにも通じる内容
アラスカを愛した作家・星野道夫さんを思い出した
【内容抜粋メモ】
時の流れが始まった頃、人間と動物は、この大地でともに暮らし
すべてのものに命があり、魂があった
クマの子どもたちは、青い氷の洞穴が世界のすべてだったが
ある日、ワタリガラスが1匹の子グマをさらっていった
家路を急いでいた狩人が通りかかり
白い毛に包まれたものを拾って橇に乗せていった
開いてみると、人間の赤ん坊だった
子どもが欲しかった夫婦は喜び、大事に育てた
7つになった子どもは光るコハクを夢中で拾い
中でも一番キレイなコハクをワタリガラスが持っていってしまい
追いかけて、家から遠く離れて帰り道が分からなくなる
疲れきって倒れていると、7匹のクマに囲まれ
遠い昔、いっしょだった弟グマを思い出す
狩人の父は子どもを探し、クマの足跡を見つけて
子どもの命を奪ったクマを生かしてはおけないと誓う
母クマは子どもを見て、においをかぎ
たしかにさらわれた子どもだと分かって喜ぶ
父親が銃を向けると、子どもは間に飛び出す
母グマは大事に育ててくれたお礼を言う
母グマ:これからは私たちとともに、ここで生きていくでしょう
狩人もお礼を言い
狩人:私たち人間の住む所へ連れて帰ります
子ども:
僕は冬の間、クマたちといっしょに暮らすよ
でも、夏の間は人間といっしょに暮らすよ
子どもは、冬の間はクマとして成長し
夏には人間となって人々にクマの知恵を伝えた
ひとつの命、ひとつの心、ひとつの魂
わたしたちは同じ、ひとつの生きもの